映画:真実
なにも事件がないフランス映画、、、、みたいな日本映画。是枝裕和監督の作品。海街diaryみたいな何もない映画ができる人なので、今回もそんな感じ。ただ、三谷幸喜みたいに設定がかっちりしていて、自伝の出版記念とそれに合わせた映画撮影という背景をもとに進んでいきます。少し設定はベタか。
映画が進んでいくにつれて、ファビエンヌがどんどん毒舌がひどくなり、マウンティングがすごくなり、ちょっと上沼恵美子みたいになっています。ただそんな中でもなんかハンクとは仲良くなったりとかで、やっぱり0−1かっちり分かれるわけではないですね。いつも孫には優しくしているし、それは揺るぎなく維持されてます。結局別に悪いやつでもなんでもないのです。ハンクもアル中だとわかりますが、別に今は立ち直っており、別に普通にいいやつです。
ファビエンヌは年齢と演技に限界を感じかけているのですが、なんとなくそれをぽろぽろとこぼしていきます。だんだんとなんか素直になっていくんですよね。本当に彼女はプロで、それゆえ、客観的に自分の今の能力も分析できています。ブラフだけではない本当の女優です。最後の撮り直しを要求することからもわかります。ちょうどプラダを着た悪魔のようなプロ魂。
サラの件があって(あまり詳細はわからないのですが)母娘の関係はこじれているのですが、単に女優としてサラに負けるまいとサラにひどいことをした?(役を奪った?)ためにサラが死んでしまったと思っていたのが、実は娘がサラとばかり仲良くしていることに嫉妬していたとか、リュミールが忘れていたけど実は母親の演技のマネばかりしていたとか、ちょこちょこと小さなエピソードがでてきます。しかしそれは真実が明らかになる!!とかいう大げさな感じでではなく、嘘なのか適当なのかそんな発言も混ざり合いながらのやりとり。まさにこれが人間模様ですね。母娘の会話はとてもリアルで絶妙で脚本が素晴らしい。
なにもない映画なのですが、いろんなことが詰まった珠玉の映画です。ただスタンディングオベーションするような勢いはなかったので、
星は
4点